2010/11/02

《高野論説》:習近平体制で中国の政治改革は進むか? ── 次の「第6世代」に注目。THE JOURNAL
*最後に、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏の《08宣言》を掲載しているが、これこそが中国人民の希望かもしれない。

ノーベル平和賞を受賞した劉暁波も54歳で、第6世代の一番上もしくは第5世代との境目。彼が起草した「08宣言」は、決して過激ではなく、むしろ穏健と言っていいほどのもので、第6世代の民主主義感覚を代表していると見て差し支えない。「08宣言」のタイトルは聞いたことがあるが読んだことはないという向きも少なくないと思うので、以下に資料として掲げておく。

▲《08宣言》
四、結語
 中国は世界の大国として、国連安全保障理事会の5つの常任理事国の一つとして、また人権理事会のメンバーとして、人類の平和事業と人権の進歩のために貢献すべきである。しかし遺憾なことに、今日の世界のすべての大国の中で、ただ中国だけがいまだに権威主義の政治の中にいる。またそのために絶え間なく人権災害と社会危機が発生しており、中華民族の発展を縛り、人類文明の進歩を制約している。このような局面は絶対に改めねばならない! 政治の民主改革はもう後には延ばせない。
 そこで、我々は実行の勇気という市民的精神に基づき、「08憲章」を発表する。我々はすべての危機感・責任感・使命感を共有する中国国民が、朝野の別なく、身分にかかわらず、小異を残して大同につき、積極的に市民運動に参加し、共に中国社会の偉大な変革を推進し、できるだけ早く自由・民主・憲政の国家を作 り上げ、先人が百年以上の間根気よく追求し続けてきた夢を共に実現することを希望する。